動画編集を始めようとしても、無料ソフトから高機能な有料ソフトまで数多くあり、どれを選べばよいか迷うことがあります。
有名なソフトや機能が多いソフトが、必ずしも自分に合うとは限りません。作りたい動画、使用する端末、必要な機能によって、適したソフトは変わります。
初心者の場合は、最初から一つに決めるのではなく、必要な条件を整理してから無料版や体験版で操作を試すことが大切です。
この記事では、動画編集ソフトを選ぶときの比較ポイントと、購入前に確認したい注意点を初心者向けに解説します。
動画編集ソフトを選ぶ前に決めること
ソフトを比較する前に、どのような動画をどの端末で作りたいのかを決めましょう。
目的が曖昧なまま比較すると、実際には使わない機能の多さや価格だけで選んでしまうことがあります。
どのような動画を作りたいか
最初に、作りたい動画の種類を書き出します。
たとえば、家族の記録、YouTubeの長い動画、SNS用の短い縦動画、商品紹介、画面操作の解説などです。
不要な部分のカットと文字入れだけなら、基本的な編集機能でも対応できます。
一方、複数の映像を重ねる、背景を合成する、音声を細かく調整する、AI機能を利用するといった編集を行う場合は、対応機能を詳しく確認する必要があります。
「使える機能が多いか」ではなく、「自分が使う機能があるか」で比較しましょう。
パソコンとスマートフォンのどちらで編集するか
短い動画を手軽に作りたい場合は、スマートフォン向けアプリでも編集できます。
画面を直接触って操作できるため、撮影から投稿までスマートフォンだけで完了させたい人に向いています。
長時間の動画や複数の素材を扱う場合は、画面が広く、保存先も選びやすいパソコンの方が作業しやすいことがあります。
同じ名称のソフトでも、パソコン版とスマートフォン版では、料金や利用できる機能が異なる場合があります。契約前に、どの端末向けのプランなのか確認してください。
無料で始めるか有料ソフトを使うか
初めて動画を編集する場合は、無料ソフトや無料版から試しても問題ありません。
実際に動画を1本作ると、自分に必要な機能と不要な機能が分かりやすくなります。
ただし、無料版では書き出し解像度、動画時間、使用できる素材、出力回数などに制限が設けられる場合があります。完成動画へロゴや透かしが入るソフトもあります。
無料という理由だけで決めず、作りたい動画を最後まで書き出せるか確認しましょう。
動画編集ソフトを選ぶ7つの比較ポイント
動画編集ソフトを比較するときは、機能だけでなく、対応端末、パソコンの性能、料金なども確認します。
対応しているOS
Windows用、macOS用、スマートフォン用など、ソフトによって対応するOSが異なります。
同じソフトでも、Windows版とmacOS版で一部の機能や対応時期が異なることがあります。
購入ページを開いたときは、商品名だけでなく、対応OSとバージョンを確認してください。
パソコンのOSを更新していない場合は、現在使用しているバージョンが動作環境に含まれているかも確認しましょう。
パソコンに必要な性能
動画編集では、映像の読み込み、プレビュー、エフェクトの処理、書き出しなどでパソコンへ負荷がかかります。
特に4K動画、長時間動画、多数のエフェクト、AI機能を扱う場合は、必要な性能が高くなりやすくなります。
公式サイトには、最低動作環境と推奨動作環境が記載されていることがあります。
最低動作環境は、快適な編集を保証する数値とは限りません。可能であれば推奨動作環境を確認し、自分のパソコンのCPU、メモリ、グラフィック機能、空き容量と比較してください。
初心者でも操作しやすいか
高機能でも、必要なボタンが見つからず、操作方法を毎回調べなければならないソフトは続けにくくなります。
次のような基本操作を無料版で試してみましょう。
- 動画を読み込む
- 不要な部分をカットする
- 文字や音楽を入れる
- 動画を書き出す
- 保存場所を確認する
この一連の操作を迷わず進められるかが、初心者にとって大切な比較ポイントです。
日本語の操作画面、公式マニュアル、初心者向けの解説が用意されているかも確認しましょう。
必要な編集機能があるか
多くの動画編集ソフトには、カット、分割、文字入れ、音楽の追加、明るさの調整などの基本機能があります。
それ以外の機能は、ソフトや料金プランによって異なります。
たとえば、次のような機能が必要かを考えます。
・縦動画の編集
・画面録画
・自動字幕
・背景の削除や合成
・手ぶれ補正
・ノイズ除去
・複数カメラの映像編集
・AIを利用した画像や動画の生成
・テンプレートや素材の利用
使う予定のない機能まで求めると、料金が高くなったり、操作画面が複雑になったりすることがあります。
読み込み・書き出し形式
撮影した動画を読み込めるか、必要な形式で書き出せるかも重要です。
MP4やMOVなどの拡張子が同じでも、内部で使用されている映像や音声の圧縮方式によって、読み込めない場合があります。
スマートフォン、カメラ、画面録画ソフトなど、普段使用する機器で撮影した動画を無料版へ実際に読み込んでみると確実です。
編集後の動画をYouTube、SNS、仕事などで使用する場合は、必要な解像度や縦横比で書き出せるかも確認してください。
無料版の制限と透かし
無料版や体験版を利用するときは、「編集できるか」だけでなく「完成動画を希望どおりに書き出せるか」を確認します。
無料版では、次のような制限が設けられることがあります。
・完成動画にロゴや透かしが入る
・書き出せる解像度が限られる
・一部の機能や素材を利用できない
・出力できる動画時間や回数に上限がある
・試用できる期間が決められている
制限内容はソフトや時期によって変更される可能性があります。利用前に、公式サイトの現在の案内を確認してください。
料金とライセンスの種類
動画編集ソフトには、月額・年額で利用するサブスクリプションと、一度購入する買い切り型があります。
サブスクリプションは、契約中に新しい機能や素材を利用できる場合がありますが、利用を続ける限り料金が発生します。
買い切り型は一度の支払いで利用できますが、将来の新しいバージョンへの更新が含まれるとは限りません。クラウド素材やAI機能などが別料金になる場合もあります。
比較するときは、最初の価格だけでなく、次の点を確認しましょう。
・料金に含まれる機能
・契約期間
・自動更新の有無
・更新後の料金
・解約方法
・返金条件
・利用できる端末数
割引価格が表示されている場合は、割引が初回だけなのか、次回更新後も続くのかを確認してください。
無料ソフトと有料ソフトの違い
無料ソフトと有料ソフトのどちらがよいかは、編集する動画と利用頻度によって変わります。
価格だけで決めず、作業時間や必要な機能も含めて考えましょう。
無料ソフトが向いている人
無料ソフトは、次のような人に向いています。
・初めて動画編集をする
・不要な部分のカットや文字入れが中心
・短い動画をときどき作る
・必要な機能がまだ分からない
・まず編集の流れを覚えたい
基本的な編集で目的を達成できるなら、急いで有料ソフトを購入する必要はありません。
無料ソフトを使う場合も、商用利用の可否や、付属する音楽・画像素材の利用条件を確認してください。
有料ソフトが向いている人
有料ソフトは、次のような人に向いています。
・継続して動画を作る
・長時間の動画を編集する
・作業時間を短縮したい
・高度な補正やAI機能を使いたい
・豊富なテンプレートや素材を使いたい
・公式サポートを利用したい
有料ソフトでも操作性やパソコンとの相性は異なります。
評判だけで決めず、無料版や体験版がある場合は、購入前に自分の動画で試しましょう。
インストール型とオンライン型の違い
インストール型は、パソコンへソフトを入れて編集する方法です。
動画を毎回外部サービスへアップロードせずに作業でき、長時間動画や大きなファイルを扱いやすい場合があります。一方、パソコンの性能や空き容量が必要です。
オンライン型は、ブラウザ上で動画を編集します。
ソフトをインストールせずに始められ、複数の端末から作業できるサービスもあります。ただし、インターネット環境が必要で、大容量動画のアップロードに時間がかかることがあります。
顔、住所、仕事上の資料などが映る動画をオンラインサービスへアップロードする場合は、運営会社、保存期間、削除方法、利用規約を確認してください。
初心者が動画編集ソフト選びで失敗しやすい点
購入後に困らないために、初心者が見落としやすい点を確認しておきましょう。
機能の多さだけで選ぶ
機能が多いソフトでも、自分が使わなければ料金と操作の負担が増えるだけになることがあります。
初心者は、カット、文字入れ、音量調整、書き出しなど、最初に必要な機能を使いやすいことが大切です。
慣れてから高度な機能を使いたくなった場合に、プランを変更できるか確認しておくと選びやすくなります。
パソコンの性能を確認しない
ソフトを購入できても、パソコンの性能が足りなければ、プレビューが止まる、書き出しに時間がかかる、ソフトが終了するといった問題が起きることがあります。
購入前に公式の動作環境を確認し、無料版で実際の動画を編集してみましょう。
空き容量も重要です。動画編集では、元動画、編集用の一時ファイル、完成動画で多くの保存容量を使うことがあります。
無料版を試さずに購入する
公式サイトの説明や他人のレビューだけでは、自分にとって操作しやすいかまでは分かりません。
同じ短い動画を2~3種類のソフトで編集すると、操作性や書き出し時間の違いを比較しやすくなります。
特に、普段使用する機器で撮影した動画を読み込めるか、文字入力に問題がないか、希望する形式で保存できるかを確認してください。
自動更新や解約条件を確認しない
サブスクリプションでは、契約期間が終わると自動更新される場合があります。
購入前に、自動更新の有無、次回更新日、更新後の料金、解約手順を確認しましょう。
申し込み完了メールや注文番号は、解約や問い合わせの際に必要になることがあります。削除せず保存しておくと安心です。
自分に合う動画編集ソフトを選ぶ手順
迷ったときは、次の順番で候補を絞ります。
作りたい動画と必要な機能を書き出す
最初に、作りたい動画と必要な作業を書き出します。
たとえば、「YouTube用の横動画を作る」「不要部分をカットする」「文字と音楽を入れる」「フルHDで書き出す」のように具体的にします。
使わない機能は比較条件から外すと、候補を絞りやすくなります。
候補を2~3本に絞る
対応OS、動作環境、必要な機能、料金を確認し、候補を2~3本に絞ります。
一つのソフトだけを見ると、操作性や料金が自分に合っているか判断しにくくなります。
候補を増やしすぎると比較に時間がかかるため、最初は2~3本で十分です。
無料版で実際に動画を編集する
候補の無料版や体験版を使い、同じ動画を編集します。
カット、文字入れ、音量調整、書き出しまで行い、次の点を比べましょう。
・必要なボタンを見つけやすいか
・プレビューが滑らかに動くか
・日本語入力に問題がないか
・途中で迷わず操作できるか
・書き出しにかかる時間
・完成動画の画質と音声
短い動画でも、一連の作業を行うと相性が分かります。
書き出した動画を確認してから決める
編集画面で問題がなくても、書き出した動画に透かしが入る、画質が変わる、音声がずれるといった問題が見つかることがあります。
完成動画を最初から最後まで再生し、映像、音声、文字、画質を確認してください。
必要な編集を最後まで完了できたソフトの中から、料金と利用頻度を比べて選びましょう。
動画編集ソフトについてよくある質問
動画編集ソフトを選ぶときによくある疑問を確認します。
初心者は無料ソフトから始めてもよい?
基本的なカットや文字入れから始めるなら、無料ソフトで編集の流れを覚える方法があります。
ただし、透かし、出力解像度、利用できる素材、商用利用などの条件はソフトによって異なります。
作った動画を公開・販売する場合は、ソフト本体だけでなく、使用する音楽、画像、テンプレートの利用条件も確認してください。
低スペックのパソコンでも動画編集できる?
短い動画や低い解像度の動画であれば編集できる場合がありますが、必要な性能はソフトと素材によって異なります。
4K動画をフルHDへ変換してから編集する、プレビュー画質を下げる、不要なソフトを終了するなどで負担を減らせることもあります。
ただし、動作環境を満たしていないパソコンで快適に使えるとは限りません。購入前に公式の動作環境を確認し、無料版で試してください。
動画の容量を小さくする方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
買い切り版とサブスクリプションはどちらがよい?
最新機能や追加素材を継続して利用したい場合は、サブスクリプションが候補になります。
基本機能を長く使い、毎月・毎年の支払いを避けたい場合は、買い切り版が候補になります。
ただし、買い切り版でも将来の大型アップデートが有料になる場合があります。サブスクリプションも更新後に料金が変わる可能性があります。
使用予定期間の合計金額と、料金に含まれる機能を比較して決めましょう。
動画編集ソフトと動画変換ソフトの違いは?
動画編集ソフトは、映像のカット、文字入れ、音楽の追加、エフェクトなどを使って動画を仕上げることが主な目的です。
動画変換ソフトは、MOVからMP4への変換、解像度や圧縮方式の変更、ファイル容量の調整などを主な目的としています。
両方の機能を備えたソフトもありますが、編集機能と変換機能の充実度は製品によって異なります。
MOVをMP4へ変換する方法は、こちらの記事で解説しています。
まとめ
動画編集ソフトを選ぶときは、有名さや機能の多さだけで決めず、作りたい動画と必要な機能を先に整理することが大切です。
対応OS、パソコンの動作環境、操作性、読み込み・書き出し形式、無料版の制限、料金と更新条件を比較しましょう。
初心者は候補を2~3本に絞り、無料版や体験版で同じ短い動画を編集すると違いを判断しやすくなります。
購入を決める前に、普段使う動画を読み込み、編集から書き出しまで問題なく完了できるか確認してください。




