動画編集を始めたいと思っても、「何を準備すればよいのか」「どの順番で編集すればよいのか」が分からず、最初の一歩で迷うことがあります。
初めから複雑な機能を使う必要はありません。不要な部分をカットし、必要な文字と音声を整えて書き出すだけでも、一本の動画として完成させられます。
まずは短い動画で基本の流れを経験し、必要になった機能を少しずつ覚える方が続けやすくなります。
この記事では、動画編集に必要なものと、素材の読み込みから完成動画の確認までの基本手順を初心者向けに解説します。
動画編集を始めるために必要なもの
動画編集を始める前に、端末、編集ソフト、素材、保存場所を用意します。
高価な機材を一度にそろえるのではなく、現在持っている端末でできる範囲から始めてみましょう。
パソコンまたはスマートフォン
動画編集は、パソコンとスマートフォンのどちらでも始められます。
短い縦動画や、撮影した動画をすぐ投稿したい場合は、スマートフォンが便利です。撮影から編集、投稿まで一台で行えます。
長時間の動画や複数の素材を扱う場合は、画面が広く、細かな操作をしやすいパソコンが向いています。
ただし、4K動画や多くの効果を使用する編集では、端末への負担が大きくなります。使用する編集ソフトの公式サイトで、対応OSと動作環境を確認してください。
動画編集ソフト・アプリ
動画編集ソフトやアプリには、無料で使えるものと有料のものがあります。
初心者は、次の基本機能が使えるかを確認しましょう。
・動画の読み込み
・カットと分割
・文字やテロップの追加
・BGMや音声の調整
・希望する形式での書き出し
最初から機能の多さだけで選ぶと、画面が複雑で操作に迷うことがあります。実際に無料版や体験版を使い、自分にとって分かりやすいものを選ぶことが大切です。
動画編集ソフトの選び方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
編集する動画や写真
編集に使う動画、写真、音声、イラストなどを準備します。
素材が複数ある場合は、一つのフォルダーへまとめておくと探しやすくなります。撮影日や場面が分かる名前へ変更しておく方法もあります。
ただし、編集を始めた後に素材の保存場所やファイル名を変更すると、編集ソフトが素材を見つけられなくなる場合があります。
編集が終わるまでは、使用中の素材を移動したり削除したりしない方が安全です。
保存用の空き容量
動画編集では、元の動画だけでなく、編集途中のデータ、一時ファイル、完成した動画にも保存容量を使います。
空き容量が少ないと、動作が遅くなったり、完成動画を書き出せなかったりする場合があります。
編集前に端末の空き容量を確認し、不要なファイルを整理しましょう。
撮り直せない動画は、外付けドライブやクラウドなど、別の場所にも保存しておくと安心です。
動画編集を始める前に決めること
すぐに編集画面を開くのではなく、完成形を簡単に決めておくと作業を進めやすくなります。
作る動画の目的
最初に、誰が何のために見る動画なのかを考えます。
家族に送る記録動画、YouTubeの解説動画、SNSへ投稿する短い動画、商品の紹介動画など、目的によって必要な編集は異なります。
たとえば、操作方法を説明する動画では文字の見やすさが重要です。風景を見せる動画では、映像の明るさや音楽とのバランスが大切になります。
目的を一文で書き出しておくと、不要な効果を追加しすぎるのを防げます。
動画の長さ
初めて編集する場合は、30秒から数分程度の短い動画から始めると、基本操作を覚えやすくなります。
長い動画では、素材の確認、カット、文字入れ、書き出しに時間がかかります。途中で修正が必要になったときの負担も大きくなります。
まず短い動画を一本完成させ、編集の流れを理解してから長い動画へ進みましょう。
縦動画と横動画
動画の縦横比は、投稿先や視聴方法に合わせて決めます。
YouTubeの一般的な横動画と、スマートフォンで見る短い縦動画では、適した画面の形が異なります。
編集途中で縦横比を変更すると、人物や文字が見切れることがあります。最初に完成動画の投稿先を決め、編集画面の縦横比を設定してください。
投稿先の仕様は変更される可能性があるため、現在の推奨サイズや投稿条件は各サービスの公式案内で確認しましょう。
完成動画の保存先・投稿先
完成動画を端末へ保存するのか、YouTubeやSNSへ投稿するのか、家族や仕事相手へ送るのかを決めます。
投稿先や送信方法によって、適した動画形式、解像度、ファイル容量が変わります。
メールなどの添付上限に合わせて画質を大きく下げるより、クラウドストレージへ保存し、共有リンクを送る方が適している場合もあります。
初心者向け動画編集の基本手順
ここからは、動画編集を始めてから完成するまでの基本的な流れを確認します。
ソフトによってボタンの名称や配置は異なりますが、大きな流れは共通しています。
動画編集ソフトを選ぶ
対応OS、パソコンの動作環境、必要な機能、料金を確認して編集ソフトを選びます。
無料版や体験版がある場合は、普段使用する端末で撮影した動画を読み込み、書き出しまで試してください。
編集できても、無料版では完成動画に透かしが入ったり、書き出せる解像度が制限されたりすることがあります。利用条件も事前に確認しましょう。
素材を読み込む
編集ソフトを開き、新しいプロジェクトを作成します。
次に、動画、写真、音声などの素材を読み込みます。読み込んだ素材を、編集画面のタイムラインへ配置してください。
タイムラインは、動画や音声を時間の順番に並べて編集する場所です。
素材が多い場合は、動画、写真、BGMなどに分けて整理すると作業しやすくなります。
不要な部分をカットする
撮影開始直後の準備中の場面、言い直した部分、長い沈黙、撮影終了前の不要な場面などを削除します。
最初から細かく切りすぎず、明らかに不要な部分から取り除きましょう。
カット後は前後を再生し、話や動きが不自然につながっていないか確認してください。
必要な部分まで削除した場合に戻せるよう、編集ソフトの取り消し機能も確認しておくと安心です。
動画の順番を整える
複数の動画を使う場合は、伝わりやすい順番に並べます。
基本的には、最初に動画の内容を短く示し、その後に詳しい説明や映像を続けると、視聴者が内容を理解しやすくなります。
場面の切り替えには効果を付けられますが、毎回異なる効果を使うと落ち着かない動画になることがあります。
最初は自然な切り替えを中心にし、本当に必要な場面だけ効果を使いましょう。
文字やテロップを入れる
動画内の重要な言葉や、音声だけでは伝わりにくい内容へ文字を入れます。
文字は背景と区別できる色を選び、スマートフォンの小さな画面でも読める大きさにします。
画面の端に文字を置くと、投稿先のボタンや説明表示と重なったり、端末によって見切れたりすることがあります。少し内側へ配置しましょう。
文章を長く表示するより、伝えたい内容を短く区切る方が読みやすくなります。
誤字や変換間違いは、編集画面では気づきにくいことがあります。書き出した後にも確認してください。
BGMや音量を調整する
必要に応じて、BGM、効果音、ナレーションを追加します。
話し声がある動画では、BGMが大きすぎると内容を聞き取りにくくなります。音楽を目立たせるのではなく、声が自然に聞こえる音量へ調整しましょう。
動画の途中で音量が急に変わらないか、イヤホンと端末のスピーカーの両方で確認すると違いに気づきやすくなります。
インターネット上で見つけた音楽や画像を、自由に使用できるとは限りません。自分で作成した素材か、利用条件を確認した素材を使用してください。
動画を書き出す
編集が終わったら、完成動画を一つのファイルとして書き出します。
書き出し時には、保存先、ファイル名、動画形式、解像度などを選びます。
幅広い機器で再生する動画では、MP4が候補になります。ただし、同じMP4でも内部の圧縮方式によって再生できる環境が異なる場合があります。
最初は投稿先や編集ソフトが案内する推奨設定を参考にし、短い動画で試しましょう。
書き出しが終わるまで時間がかかる場合があります。途中でパソコンを終了したり、保存先の機器を取り外したりしないでください。
動画を書き出した後に確認すること
書き出しが終わっても、すぐに元動画や編集データを削除しないようにしましょう。
完成した動画を最初から最後まで再生し、問題がないことを確認します。
映像と音声のずれ
人物の口の動きと声、場面の切り替えと効果音が合っているか確認します。
編集画面では問題がなくても、書き出した後に音が途切れたり、映像とずれたりする場合があります。
問題がある場合は、元の素材、編集ソフトの設定、書き出し形式を確認してください。
誤字や文字の見切れ
タイトル、名前、数字などに誤字がないか確認します。
特に、電話番号、日付、金額、商品名などは、元の情報と照らし合わせましょう。
文字が画面の端で切れていないか、背景と重なって読みにくくないかも確認してください。
可能であれば、パソコンだけでなくスマートフォンでも再生すると、文字の大きさを判断しやすくなります。
画質とファイル容量
完成動画の画質とファイル容量を確認します。
映像が粗い場合は、書き出し時の解像度やビットレートが低すぎる可能性があります。
反対に、必要以上に容量が大きい場合は、不要部分のカット、解像度、ビットレート、圧縮方式を見直します。
容量を小さくする方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
初心者が動画編集で失敗しにくくなるコツ
最初から完璧な動画を目指すと、細かな修正が増えて完成しにくくなります。
まず一本完成させ、次の動画で一つずつ改善しましょう。
最初は短い動画を作る
短い動画なら、カット、文字入れ、音量調整、書き出しまでの流れを短時間で経験できます。
完成させることで、自分が迷った操作や、次に必要な機能も分かります。
長い動画の一部分を使い、練習用の短い動画を作る方法もあります。
編集前の元動画を残す
編集した動画を元のファイルへ上書きすると、失敗したときに戻せなくなる場合があります。
元動画はそのまま残し、編集用のデータと完成動画は別の名前で保存してください。
撮り直せない動画は、別の保存場所にも複製しておくと安心です。
効果や文字を入れすぎない
動画編集ソフトには多くの文字装飾、切り替え効果、アニメーションが用意されています。
すべてを使おうとすると、視聴者が内容より効果に気を取られることがあります。
文字の種類や色、場面の切り替え方をある程度そろえると、落ち着いて見やすい動画になります。
こまめに保存する
動画編集では、端末の動作が不安定になったり、操作を誤ったりして、編集内容が失われることがあります。
自動保存機能がある場合も、保存先と保存される間隔を確認してください。
大きな変更をする前や、作業を中断する前には、自分でも保存する習慣をつけましょう。
途中の状態を複数残したい場合は、日付や版数を付けて別名保存する方法もあります。
音楽や画像の利用条件を確認する
無料と表示されている素材でも、商用利用、動画投稿、加工、クレジット表記などに条件が設けられる場合があります。
使用前に、配布元と利用条件を確認してください。
利用条件が記載されたページや購入記録は、後から確認できるよう保存しておくと安心です。
動画編集ソフトに付属する素材も、契約中だけ使えるものや、使用目的が限られるものがあります。ソフト本体の利用規約とは別に確認しましょう。
パソコンとスマートフォンはどちらがよい?
短い動画を撮影してすぐ投稿するなら、スマートフォンで始める方法が手軽です。
指で操作でき、撮影した素材をそのまま使えるため、基本的なカットや文字入れに向いています。
長時間動画、複数の映像や音声、細かな文字調整などを行う場合は、パソコンの方が作業しやすいことがあります。
どちらか一方に決める必要はありません。スマートフォンで撮影し、パソコンで編集する方法もあります。
自分が作りたい動画、使用する素材、端末の性能に合わせて選びましょう。
動画編集についてよくある質問
最後に、動画編集を始めるときに迷いやすい点を確認します。
動画編集に高性能なパソコンは必要?
必要な性能は、使用するソフト、動画の解像度、長さ、編集内容によって異なります。
短いフルHD動画のカットなどと、長い4K動画へ多数の効果を加える編集では、端末への負担が大きく異なります。
購入前に編集ソフトの公式動作環境を確認し、無料版で普段使う動画を編集してみましょう。
最低動作環境を満たしていても、快適に操作できるとは限りません。公式サイトに推奨動作環境がある場合は、そちらも確認してください。
動画編集は無料で始められる?
無料の動画編集ソフトやアプリを使えば、費用をかけずに始められます。
ただし、透かし、書き出し解像度、動画時間、使用できる機能や素材などに制限が設けられる場合があります。
無料版で一本作り、必要な機能が足りないと分かってから有料版を検討しても遅くありません。
1本の動画を作るのにどのくらい時間がかかる?
編集時間は、動画の長さ、素材の数、文字の量、編集経験によって大きく変わるため、一律にはいえません。
同じ長さでも、不要部分をカットするだけの動画と、すべての音声へ字幕を付ける動画では必要な時間が異なります。
最初は操作を調べながら進めるため時間がかかります。短い動画で作業の流れを決め、文字や色の形式をそろえると、次から進めやすくなります。
書き出した動画の容量が大きいときは?
不要な部分が残っていないかを確認し、解像度、ビットレート、フレームレート、圧縮方式を見直します。
設定を一度に大きく下げると、顔や文字が見づらくなる場合があります。
元動画を残したうえで短い部分を試しに書き出し、画質と容量を比較してください。
動画を読み込めないときは?
最初に、その動画形式へ編集ソフトが対応しているか確認します。
拡張子がMP4やMOVでも、内部の映像・音声の圧縮方式によって読み込めない場合があります。
編集ソフトと端末を更新し、動画が別の再生ソフトで正常に開くかも確認しましょう。
元動画を残したうえで、対応する形式へ変換すると読み込める場合もあります。
MOVをMP4へ変換する方法は、こちらの記事で解説しています。
まとめ
動画編集は、パソコンやスマートフォン、編集ソフト、素材、保存容量があれば始められます。
最初に動画の目的、長さ、縦横比、投稿先を決めると、必要な編集が分かりやすくなります。
基本的な流れは、素材の読み込み、不要部分のカット、順番の調整、文字と音声の追加、書き出し、完成動画の確認です。
初心者は短い動画から始め、一本を最後まで完成させましょう。最初から多くの効果を使うより、映像、文字、音声が自然に伝わることを優先します。
元動画を残し、こまめに保存しながら進めれば、失敗した場合もやり直しやすくなります。





